セルジオ風に日本戦を振り返る


日本代表の今回のワールドカップが終わったね。2-0とリードしてからのまさかの逆転負け、世間は「感動をありがとう」「FIFAランク3位相手によく頑張った」なんて称賛する声ばかりだ。
個人的には「悔しい。勝てる試合だったのに何をしてるんだ」という思いしか試合後には無かったよ。日本人の大好きな美しい負け試合だけど、後半10分の時点で2-0から逆転されるというのはサッカーでは恥以外の何物でもないよ。そもそも負け試合で渋谷で騒いだり道頓堀に飛び込む理由もよく分からないね。この自称「サポーター」達はもうそのまま川から浮いて来ない方が今後の日本サッカーの上昇の為にいいんじゃないかな。

今回スタメンの選手はゴールキーパーの川島以外はよく戦えてたよね。ただ選手層の薄さ、もっと言えば選手選考の段階でのミスがこの逆転負けに繋がっているんだよ。思い出してほしい、1ヶ月前の選手選考の時協会は何を重視したのか。「経験」と「ポリバレント」だよね。
僕は入れ歯にポリデントを使ってるけどポリバレント というのは簡単に言えば「色んなポジションができる選手」という事だ。でも日本代表に「ワールドカップでの出場経験が豊富で、ポリバレントな選手」なんてエリートサラリーマンみたいな選手はいないんだ。無い物ねだりをした結果本番では4年前と同じ「スタメンと交代選手はほぼ固定」という現象が生まれた。

経験というのも大事だけれど経験は不確定要素だ、それよりも各ポジションに対して十分な交代選手はいるか。守り切りたい場合、もっと攻めに出たい場合はどの選手を使うか。延長になった場合のジョーカーは誰か、詰まる所プランニングを全くしていないのが大事な場面で露わになったよね。その結果ベルギーが大きなカリフラワーを入れてパワープレーに出てきても、西野監督に打てる策は無かった。サッカーにおいて後半残り35分で2-0というのは十分なセーフティーリードだよ。それこそポーランド戦の様にポゼッションを高めて逃げ切るプランも選べたのに、当たり負けする相手に真っ向から向かっていった。日本人は今も昔も神風特攻が好きみたいだね。
さらに同点にされて点を獲りにいきたい状況で柴崎を下げてしまった。攻撃的なボランチの控え大島は今大会1度も使っていないからここでも使えない。
この状況になればベルギーは王手だ、後は遅かれ早かれ日本としては散るのを待つだけの状況になり、後半終了直前に望み通り美しく散った。マスコミにとってもこれ以上無い美しい負け試合になったんじゃないかな。サッカー協会の忖度かと疑ってしまったよ。
西野監督は「延長になったら違うプランもあった」と言っていたけどこの結果を見れば強がりにしか聞こえないね。おそらく3点目を獲りにいく選択をしたのではなく、それしか選べるプランが無かったんじゃないかな。4年前と同じ過ちを犯している事、若い選手ではなく経験を重視した選手起用が裏目に出た事を痛感したかもしれないね。でもそれでは遅いんだ、この世界にタイムマシンは無いからね。
西野監督の手腕を評価する声もあるけど、僕にはとても評価に値するとは思えない。2ヶ月しか無かったのにと言うけれどそんな事は分かっていてハリルのクビを切ったわけだし言い訳にはならないよ。結局そこで保守的な選考をしてしまって最後は負けたんだ。今回の敗戦は協会、監督の責任は大きいと思うね。
反対に選手達は世界の一流と互角に渡り合える事を十分証明してくれた、嬉しいよ。ここからは選手の力だけでなく、協会が日本というチーム全体の事を考えて戦える様にしていかないと選手達は報われない、宝の持ち腐れになってしまう。今回の敗戦の理由がどこに繋がっているか振り返らなければこの敗戦の意味は生まれないよ。
4年後のカタールではタイムマシンで未来に来すぎたんじゃないかと思うくらい、躍動する日本代表を期待しているよ。